【2024年4月から】足場についての法令が改正されます!主なポイントを抑えておきましょう。

2024年4月から労働安全衛生規則に伴い戸建住宅でも墜落防止措置が義務化されます。
今回は「足場の法改正」について詳しくご説明いたします。

目次

1.改正される法令・今後の課題について

①私たちが街中でよく見かける戸建改修現場や新築現場の90%以上の足場は2024年4月の改正法により法令違反となります。


②狭小地において例外的に一側足場(ひとかわあしば ※簡単にいうと今までの足場)を用いる場合でも安全措置が強化されます。


③今回の改正による安全措置を実施するため足場資材・トラック・人員など足場コストがほぼ倍になります。



2024年4月より足場の規則が改定 今後の工事価格に関わります! 足場資材・トラック・人員など足場コストが倍になります
2024年4月より足場の規則が改定 今後の工事価格に関わります! 足場資材・トラック・人員など足場コストが倍になります

出典:(労働安全衛生規則(足場関係)が改正されました︕) (厚生労働省) をもとに株式会社エスユープレイス 利用

2.足場に関する法令が改正された背景

外壁塗装や屋根塗装等の高所作業を行う場合は、足場が組まれます。
足場場関係法令に関しましてはこれまでも厚生労働省より多くの規制・改正があり「より安全」な作業環境になるよう変化してきました。

また改正の際、施行後3年を目途に措置の効果を把握し、その結果に基づき所要の措置を講ずるための「有識者による検証検討会」が開かれ必要な改正が行われてきました。


建設業の志望災害の事故の型別内訳(令和3年) 288人中 墜落・転落110名(38%)

出典:(建設工事における労働災害防止対策)(国土交通省) をもとに株式会社エスユープレイス 利用

これは建設業の労災の約4割が墜落・転落事故が占めているためです。
その足場での高所作業中の墜落・転落事故がそういった改正法が功を奏して、平成16年より毎年減少傾向でありました。
しかし、死傷墜落転落事故を含む墜落災害が近年増加傾向にあるため、2024年4月より安全衛生規則が改正されます。

今回の改正では、従来比較的小規模である戸建住宅の改修工事では許容されていた事項も厳重な規制となり、罰則規定も定められました。

3.改正内容を押さえよう

①二側足場の使用を変則化

<一側足場 二側足場イメージ>

出典:(住宅工事現場における 災害防止対策の基本を徹底しましょう!)(厚生労働省) をもとに株式会社エスユープレイス 利用

改正前→足場をかける際、建物と敷地内に1メートル以上の幅があったとしても最小限の部材で足場(一側足場)を組めた。 よく街中で見かけている足場の9割が一側足場です。

 改正後→足場をかける際、建物と敷地内に1メートル以上の幅がある場合は二側足場で組むことが義務化。

また、狭小地における1メートル未満の場所であって一側足場を使用する場合であっても安全措置部材を使用すること。

<改正法対応 本足場:二足足場 施工例>
これにより足場の部材使用量が従来より大幅に必要となり、今まではトラック1台で運搬できていたものが2台必要になります。
それに伴い使用部材の確保、人員増員(日数増)、運搬コスト増となります。

②足場の点検時に点検者の指名が必要になる

足場の組立等作業主任者等の作業主任者等の有資格者での点検が必要となります。
弊社では全スタッフが足場作業に係る特別教育を修了しております。無資格者はエスユープレイスにはおりません。

③足場組立後の点検者の記録・保存が必要になります

足場の組立・一部解体又は一部変更を含む点検後に記録及び保存が必要となります。
弊社では足場の点検記録・保存に当たっては専用のチェックリストに従い適切に管理し、全現場の状況をシステムによりデータ管理しております。

弊社では従来より安全な作業用足場を用いた現場づくりを行ってまいりましたが、この度の改正労働安全衛生規則につきましても完全準拠し対応致します。
大変心苦しくはありますが、それに伴う足場費用の値上げは業界全体として避けられません。
違反した場合は安衛法119条第1項・第122条に則り「6か月以下の懲役・50万円以下の罰金」に処されます。


出典元:(足場からの墜落防止措置が強化されます)(厚生労働省)をもとに株式会社エスユープレイス 利用

4.改正後の現場での課題・弊社の対応

この度の改正による現実問題として
①お客様の施工コスト増は不可避となります。
②足場工事無料を謳う業者は違法な足場を組むか法令無視業者である可能性が高いです。
③上記同様に足場格安業者や価格据え置き業者も違法な足場を組むか法令無視業者である可能性が高いです。

※②、③について:
実勢コストが倍以上必要となる中で、「足場無料」や「安くします」など耳障りの良い言葉にこそトラブルが潜んでいます。(それは今までもですが。。。)
法令を守らない施工業者は「現場で良い仕事」をしている訳ではなく「現場で犯罪」をして
いる業者ということになります。
違反業者に対しては通報に依る営業停止処分などの措置も囁かれております。

弊社は、安全が何よりも優先されると考えております。

テレビやネットで毎日のように流れる建設現場での痛ましい転落死亡事故。私たちの働く建設業は一歩間違えると、ちょっと気を緩めると、命を落としかねない仕事であると痛感しますし、「これが同じ仲間や家族だったら・・・」と考えると本当に怖くなります。

ヘルメット やフルハーネス装着は、基本中の基本であるにも関わらず、どこかこれらを軽視している、そんな現場は無くさなければいけません。

2019年のフルハーネス規制の後すぐの今回の法規制は、業界からの反発も大きいのですが、それだけ私たち建設業に携わる従事者の安全意識があまりにも低いのと、毎日毎日、日本中のどこかで工事現場で人が転落して亡くなっている現実があるからです。ルール化しないと人が死んでしまうからです。

弊社では、これまで墜落事故等は1件もございませんが、「それはただの偶然で、慢心した時に怪我・事故はすぐそこにいる」と現場の職人に常々伝えております。

安全に作業している現場スタッフには大変感謝しております。
それと共にちょっとした気の緩みを引き締める意味を込めております。
怪我をしないように。転落しないように。家族や仲間を悲しませないように。
弊社をお選び下さったお客様の現場で、私たちの会社内で、つまらなく悲しく苦しい事故だけは起こしたくありません。
先の見えないトンネルを歩いているような昨今の中において、お客様含め私たちの負担ばかりが増すばかりではありますが、弊社としましては現場の再点検・見直しを常に行ってまいりますと共に、弊社をご用命下さるお客様のご理解をお願い致します。

またこれまでも、これからも弊社のお客様へ、最大に心を込めて、エスユー品質で、
大切なお家を守るお手伝いをさせて頂くことをお約束します。

いつもありがとうございます。

株式会社 エスユープレイス
代表取締役 佐久間 太貴